• ・グリストラップとは・・・

    「グリストラップ(阻集器)」は、厨房からの排水に含まれている油や残飯を一時的に溜めておく装置です。昭和51年の建設省告示1597号(改正、昭和57年建設省公示)で、食事を提供する飲食店・学校給食・病院・社員食堂・老人ホーム・食品加工場などへの設置が義務づけられました(第1674号)。また、グリストラップ槽に溜まった油・残飯は産業廃棄物として扱われ、事業主の責任において適切な処理をすることも義務づけられています。毎日グリストラップ槽を掃除すれば、悪臭もなくハエなどもわかず清潔ですが、ほとんどの事業所では徹底できていないのが現状です。

    1, グリストラップ設置の目的

    自然環境に配慮し、油を直接排出しないというのが最大の目的であるが、同時に悪臭の流出、昆虫や小動物の侵入、排水の逆流を防ぐ目的がある。(管理責任者は各事業主となっている。)

     

    2, グリストラップの構造

    基本的には下図のように、受けカゴ、水槽、トラップ管の3点による構造が一般的である。洗浄機などから排出された排水は、受けカゴを通って水槽に貯水される。食べ物カスや大きなゴミ等の固体は受けカゴで受け取られ、液体の排水のみが水槽に溜まる。トラップ管は水槽の底面に向かってL字型に曲がっており、水に浮く性質の油は水槽上部に集まり、水槽下部の排水のみが下水に排出される。仕切り板を数枚用いて、水槽を分割する機能を有するものもある。

     

     

     

    3,義務付けられている管理とは??

    ・自治体によって多少の差異がありますが下記に示すとおりです。

    A,バスケット清掃は毎日    

    B,浮上油脂(グリス、油脂スカム)清掃は週1

    C,沈殿物(汚泥)清掃は月1回  

    D,蓋(ふた)は錆びや老朽化の度合いを見て交換。

     

     

     上記のようにかなりの頻度で清掃管理をしなければなりません。

    C,沈殿物の清掃などは、廃棄物処理業者に頼んだほうが良いかもしれませんね。

     

    4, グリストラップの管理をしないとどうなるの?

    ・罰せられることも・・・

    罰則規定の例(参考:廃棄物処理法 第25条から第34条)

     

    罰則

    条件

    根拠条文

    1,5年以下の懲役若しくは1000万円の罰金またはこの併科
    ※法人については3億円以下の罰金

    1、不法投棄(未遂含む)、無許可営業など

    1、法25条、
    32

    2、5年以下の懲役若しくは1000万円の罰金またはこの併科

    2、無許可業者への委託など

    2、法25条

    3,3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金またはこの併科

    3、契約証への許可証の添付漏れ・5年義務違反など

    3、法26条

    4、6ヶ月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金

    4、マニフェスト伝票の記載・交付義務違反・5年保存義務違反など

    4、法29条

    5,30万円以下の罰金

    5、特別管理産業廃棄物管理責任者設置義務違反など

    5、法25条、
    31条

     

    廃棄物処理法で規定された罰則には次のような特徴があります。ほとんどの罰則にはこれらが適用されています。

    • 直罰・・・規準を遵守しないものに対して、改善命令などを経ることなく、直ちに罰則をかけること
    • 両罰規定・・・違反行為に対する罰則を行為者本人だけではなく、法人に対しても同様にかける規定

    また、処理基準に適合しない収集運搬、処分、保管については直罰はありませんが、適正処理の実施を確保するために運用の改善を命じられることがあります。これを改善命令といい、従わなかった場合、3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金またはその併科となります。さらに、排出事業者責任の考え方により、廃棄物の処理委託先が不適正処理を行った場合、一定の要件を満たす排出事業者も責任を問われ、環境汚染等の除去に必要な措置を命じられることがあります。

     

     

  • ・近隣住民に迷惑を掛けることも・・・

      しっかりとした管理を行わないと多量の油脂類が公共下水道に流れてしまい公共下水道を閉塞(詰まらせる)させてしまうこともあります。閉塞させてしまうと近隣住民の方もトイレなどが使えないという事態にもなりかねません。

                              

    上記は公共下水道管内のグリスによる閉塞状況と管内閉塞中のマンホール内状況です。

     

    上記のような場合に原因者が明確な場合は原因者負担での工事を義務付けている自治体も少なくありません。

    このような事態を回避するためにも、しっかりとした管理を行っていく必要があります。

     

     

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    現状特になし。

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